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関西生コンへの権力の弾圧(京浜ユニオンニュース2018年10月1日)

東京ではフリーター労組、関西では関西生コン支部が権力・公安の弾圧にさらされています。

3月 前年12月のストライキを威力業務違反で家宅捜索。
6月 前年12月のストライキを威力業務違反で家宅捜索。
7月18日 湖東生コン共同組合の理事ら4人逮捕。
8月 9日 同理事ら3人逮捕。家宅捜索 恐喝未遂容疑?
8月28日 関西生コン支部武委員長ら3名逮捕。
9月18日 関西生コン支部副委員長ら16名逮捕。威力業務妨害?

関西生コン支部の闘いはひと言でいうと、中小業者と生コンで働く労働者が協力して、大手ゼネコンの不当な収奪を防ぐ取り組みです。このどこがいけないのか?業者は恐喝、組合は威力業務妨害で弾圧された。警察は大手ゼネコンの手先になっています。警察は業者に対しては「関生と手を切れ」と圧力。組合員には「組合加入の動機はなんだ」と不当労働行為をおこなっています。

関西生コン支部は2017年12月以降、業者団体である大阪広域生コン協組と全面争議状態になっています。この争議に便乗して、大阪・奈良・京都・滋賀の各府県警が弾圧に動いているのです。

同時に、警察の動きに合わせて、大阪広域生コン協組の関係者とレイシスト集団が一体となって行動しています。なぜか。

特に問題なのは、労組活動の基本である「団体交渉」での要求を「恐喝・強要未遂」とねじ曲げて、逮捕の口実にしていることです。こんなことを許したら、組合活動などできなくなる。

既に、裁判所の右傾化(企業より)が進んでいて、「フジビ闘争」では、ノボリ旗の文句が名誉棄損・損害賠償に問われている。

社前行動をすれば、フリーター全般労組に対してのように、勝手に転び、被害届を出して、警察が家宅捜索をしています。

こんなことが続けば、労働組合は活動できなくなってしまいます。

私達に残された道は、フジビ分会が大衆行動でスラップ訴訟を乗り越えたように、また幾度弾圧されても屈せず闘う関西生コン労働者の不屈の闘争精神で共に進んで行きましょう。


平和憲法を壊すな!!(京浜ユニオンニュース274号)

東京新聞で「平和の俳句」の連載が2015年1月1日に始まり、約2年間続きました。きっかけは、2014年6月に東京銀座で集団的自衛権の行使容認に反対するデモを見たさいたま市の女性が詠んだ

梅雨空に「九条守れ」の女性デモ

という俳句が、さいたま市の三橋公民館の月報に掲載を拒否された問題です。

この句を2014年の敗戦記念日に掲載した金子兜太さんといとうせいこうさんが新聞対談で、この事件を、戦前の新興俳句運動に対する弾圧事件に重ねました。戦争に向かう時代の空気に一人ひとりの言葉の力で抗おうと呼びけたのが「平和の俳句」でした。

この句を巡る動きが大きな渦となり、「平和の俳句」は「軽やかな平和運動」として連載されたのです。

安部首相は、この秋の国会で9条改憲を提案すると言っています。9条を変えても何も変わらないと言っていますが、真っ赤な「大うそ」です。憲法学者の小林節さんが次のように言っています。

首相の9条改憲には大反対です。日本が、海外で戦争できる国になるからです。首相は、9条の1項(戦争放棄)、2項(戦力不保持)は「そのまま」で、3項に「自衛隊」を書き込むだけだと言います。うそです。

首相が書き込もうとしているのは、災害救助で評価されている自衛隊ではない。憲法違反として歴代政権が認めてこなかった集団的自衛権の行使を容認した「閣議決定」とそれに基づく「戦争法」を実行する「自衛隊」です。海外で武力行使ができる事実上の「軍」なのです。

ローマ法以来の法格言は「新法は旧法を改廃する」です。つまり、改悪された9条は1項・2項ではなく3項を基準に解釈すべきものとなる、変わらないどころか憲法は大きく変えられます。

憲法には警察も海上保安庁もない。自衛隊だけ書き込んだら「天下の国軍」になりますよ。(続く。松下)


待った無しの温暖化対策(京浜ユニオンニュース274号)

クーラーなしでは生きていけない世の中になった。

太陽の下で夏場は働けなくなった。

温暖化につながる事は全部廃止!即廃止を!

温暖化は人間の産業活動に伴って排出された人為的な温室効果ガスが原因です。
1906年から2005年の100年間に地球の平均気温は0.74度上昇しました。1979年以降では10年につき0.12から0.22度の割合で上昇し続けています。国連では2100年には最大6.4度上昇すると予測しています。

一度環境中に増えた二酸化炭素の長寿命な温室効果ガスは今後100年間にわたり影響をおよぼします。

海面上昇、降水量の変化、洪水・酷暑・ハリケーン等の異常気象の増加。生物種の大規模な絶滅を引き起こすことが考えられます。

この温暖化が人類にとって危険であり、対策が必要なことは国際的にも合意されています。今問われているのはやるのか。やらないのかです。

1997年に京都で議決され2005年に発効し、議定書の目標達成を目処に温暖化ガスの排出量の削減が行われてきました。

ヨーロッパでは順調に削減が進んでいます。しかし、日本を含めたその他の国々は不参加や失敗で成果はあがっていません。特に日本は17年度に石炭消費が1.7%増加しています。(英国19.4%減・イタリア10.5%減・ドイツ5.8%減)アメリカのトランプ政権はオバマ前政権時の火力発電所の削減目標を緩和後退しています。

 統計的にみても既に、熱波や大雨等の極端な気象現象が観測されています。同時に予想を上回るペースで氷雪の減少が観測されています。

今世紀中には海面が1〜2メートル上昇する可能性が指摘されています。その結果、つい最近18年7月の集中豪雨による川の氾濫・土砂崩れによる200人を越える死者。18年7月の猛暑からくる熱中症による多数の死者と救急搬送。が起きています。
 2018年の夏、アルジェリアは最高温度51.3度。オーマンの最低温度は42.6度でした。ポルトガル45.2度。スペイン46.4度。日本でも熊谷で41.1度、都内も40度を記録しました。

二酸化炭素を減らすためには、森林伐採を制限すること。化石燃料の消費を減らすことが重要です。


戦場体験を若い世代が受け継ぐ(京浜ユニオンニュース274号)

週刊金曜日を読んで討論を深めている東京南部の読書会主催の夏恒例の講演会が8月24日生活センターで開かれた。昨年より多い25.6名の参加がありました。ユニオンからは2名が参加しました。

今年の講師はビルマ戦研究者で、大学講師の遠藤美幸さん。著書に『「戦場体験」を受け継ぐということービルマルートの拉孟全滅戦を尋ね歩いて』がある。
彼女はJAL時代に御用組合から闘う組合に移り会社から不当な差別をうけたが屈しなかった。その経験が戦争研究の原点だと言う。

10年の歳月をかけて、拉孟戦の生き残りの兵士を尋ねて直接取材し、現地を訪ねて、1300人の日本兵士の大半が全滅した拉孟全滅戦の話を中心に実際の戦場体験をただありのままに取材し記録をした。

きっかけは以前JALの客室乗務員で働いていた時に機長をしていた小林健一さんと出会ったこと。その小林さんから、彼が体験したビルマの拉孟全滅戦の資料が段ボール箱で届けられ「壮絶な玉砕戦があったことを後世に伝えてほしい」と託されたことでした。

1944年6月から1300名の拉孟守備隊は4万の中国軍の包囲により、補給路を絶たれ孤立無援の状態に置かれた。最後の一兵まで死闘を命じられ、100日間の戦闘の末9月7日に全滅した。

講演会の直前に門村さんからいただいた本を一気に読んだ。この本は戦争物とは違い、すこしの脚色もなく、隠し事もなく、戦場の実際をありのままに綴っている。生き残り兵士たちの証言をまとめ記録したものです。

はからずも、従軍慰安婦の本当の姿が証言に残ることになりました。15名の朝鮮半島から騙されて連れてこられた少女たちが戦場で記録されています。その後捕虜になり北朝鮮(共和国)に帰還した実在の女性の記録が証言でよみがえりました。

書名「戦場体験」を受け継ぐということ 出版社  高分研


原発事故 今の汚染の実態は?

破損原発の圧力容器直下の放射線量は今でも毎時7〜8シーベルトで、人が1時間で死んでしまいます。

期間困難区域(高瀬川の南側)の道路の路肩の土からは5万0584ベクトルが検出されました。

0.3平方キロの港湾内には今も毎日300トンの汚染水が流れこんでいます。そして、湾内の汚染水は毎日半分が外洋の水と入れ替わっています。

外洋に流れでた汚染水は2年半で希釈されながら太平洋を一周しています。世界を汚染し続けているのです。

そして、流れ出た汚染水は還流して日本近海を汚染しています。2016年には新潟沖で1.83ベクトル。沖縄で1.51ベクトル。四国沖で1.90ベクトルが検出されました。

第一原発から北に30キロ離れた海底土で4100ベクトル(2012年1月)が検出されています。

敷地内のタンクには、汚染水を処理した後のトリチウム水が2018年4月現在で85万トン、タンク数で580基たまっています。

汚染された地域は福島を中心に栃木・群馬・新潟・宮城・茨城・埼玉・千葉・東京・山梨・神奈川・長野・山形・岩手・静岡に及んでいます。

福島県内の汚染土は2200万立方メートル。

指定廃棄物は福島17万2376トン。栃木1万3533トン。東京981トンなど、首都圏を中心に20万トンあります。

高濃度の汚泥は600立方メートル。使用済み防護服6万6400立法メートル。汚染された代採木12万立方メートル。汚染されたがれきは21万1100立法メートルあります。

千葉の手賀沼からは最高5867ベクトル。茨城の霞ケ浦からは1022ベクトルが検出されています。手賀沼から東京湾にそそぐ大堀川の上流では2705ベクトルの汚泥の最高値が記録されました。(15年1月)

東京湾の花見川河口からは373ベクトルが記録されました(2017年9月調査)

都心を流れる河川の底土では、鎧橋(452)茅場橋(388)江戸橋(326)勝どき橋で233ベクトルを記録しています。(2015年10月)

荒川河口では212ベクトル。多摩川河口でも154ベクトル。鶴見川では154ベクトル検出されています。(17年9月)
汚染された魚が死んで、その体内のセシウムは海底の汚泥につもり、その汚泥を餌にするゴカイから再び魚の身体に入る。そうして底魚の汚染は続いています。放射能はなくならない。移動するだけです。

阿武隈川のヤマメ・イワナなどの渓流魚からセシウムなどの放射線物質が検出されています。原発直近の請戸川に汚染されていないヤマメを放流すると、1ヶ月で1000ベクトルも汚染されました。阿武隈川では2016年でもヤマメから最大値170ベクトルが検出されています。ゼロまでに後何年かかるのか?

馬の奇妙な死。原発後、近くの牧場で放牧中の馬13頭が3ヶ月間で死にました。足腰が弱り、歩行困難。やがて肝機能障害を起こして死にいたりました。

福島市西部の山中のサルの体内から10000ベクトル以上のセシウムが検出されました。

オオタカが危機。繁殖成功率が低下。これまで繁殖率は78%だったが、事故の翌年が55%。2013年が50%に低下しています。捕食を通して、内部被爆したか、空間線量の影響か。詳しい調査は必要です。

当然人間にも被害は出ています。甲状腺ガン及び疑いの患者は172人でています。

事故直後のモミの木に枝が伸びない成長異常。大熊町では98%。浪江町では27%〜44%。低い北茨木では6%でした。

飯館村の山菜。コシアブラ9万2783ベクトル。コゴミ1384ベクトル。フキノトウ195ベクトル。ワラビ914ベクトル。タラの芽95ベクトル(16年3月)。コシアブラは浅い地面に根を張るため特に汚染が強いです。

家庭の食事にもセシウム。福島県内の家庭の食事からは4.01ベクトル。関東では0.35ベクトルが検出されています。

今現在分かっている放射性物質の主なリスクは、ヨウ素131 による甲状腺がん、ストロンチウム90 による白血病など。またセシウム134,137は、筋肉・内臓などに広く分布し、生殖系や膀胱の発ガンリスクを高め、心臓や胸腺(免疫器官)などに影響を与えると危惧されています。

最近若い人に増えている心筋梗塞・突然死との関係はまだはっきりしていない。・・疑いは残るが。   (渡辺)


労働法制の大改悪その中身とは

「高プロ」は労働時間規制の破壊。労働基準法の労働時間規制を全く受けない労働者を作りだすもの。24時間営業のコンビニのように労働者に対し、昼も夜もなく24時間働けという制度。人間は2晩続けて眠らず働いたら、容易に身体を壊してしまいます。理屈上だが24時間・48日間、ぶっ通し働かせても違法にならない殺人法。こんなめちゃくちゃな法律が今国会を通過しようとしています。

更にこの法律の悪い点は、労働時間に関する何の権限も裁量もなく、使用者の業務命令に従わなければならない点です。逆にいうと、上司の命令に従わなければ解雇。従えば過労死。というとんでもない「法律」です。悪法の最たるもの。

具体的な職種や年収要件は、法案成立後に審議会で(国会ではない)決める。当然年収額の低下と職種の緩和がされる。  

そして、過労死した後の遺族には、労働時間の管理記録がないので、労災申請すらできない現実が待っています。
こんな法律に賛成する与党の国会議員は今日から国会に24時間勤務してください。そして会期末まで国会で仕事してください。自分ができないことを、我々におしつけるな。

労働時間の上限規制が長すぎる。

特例で臨時に許される上限が1ヶ月100時間未満。月平均80時間以下というのは、過労死認定基準であり長すぎる。

また、現在長時間労働の一番危険な医師や運送業は適用を5年延期。教師は長時間なのに法律の対象にすらなっていない。

労働施策総合推進法(雇用対策法)

この案は労政審の討議もなく突然出されたため、マスコミ報道も弱く、

中身が浸透していない。わかっていることは「多様な就業形態の普及」をかかげていること。その中身は個人請負・非雇用型テレワークなどを含んでいる。正社員消滅にむけた大きな労働政策の転換。雇用関係を前提にした労働法制の解体をめざすものだ。

「同一労働同一賃金」

法案には「同一労働同一賃金」の言葉はない。同じ仕事をしても、転勤・職務・役割の変化という将来の可能性を理由に賃金格差をつけることを容認。裁判をしても、「格差はあっても不合理とまではいえない」との判決で訴えは却下される。そういう法律。

「労働契約法20条」を削除しょうとしています。100時間ぶっ続けて働かされるような会社でも違法性がなければ訴える先がない!そんな時代にしない為に、働く仲間は団結して、法案の成立阻止の為、闘おう!

「ブラック企業合法化法案」反対!

「過労死促進化法案」阻止!

「残業代ゼロ法案」反対!

経営者目線の「働き方改革法案」を廃案に追い込もう!

政府は、「高プロ」のことを「働いた時間ではなく成果で評価する制度へ働き方を変える改正」だと説明しているが、全くの誤りである。「高プロ」の本質は、対象労働者に労基法の労働時間規制を適用しない(適用除外・エグゼンプション)という危険極まりないものであり、際限のない長時間労働を強いることができるものである。同制度が「過労死促進法」「残業代ゼロ法案」と批判されるゆえんである。

健康の維持のためには日々の睡眠が必要だ。たとえ残業が月あたり45時間であっても、二晩眠らずに働き続ければ、人は容易に体調を崩してしまう。だから、日々の終業と始業の間に適切に休息時間を確保するのが重要なのだ。

経団連など財界首脳がご執心の「労働者を搾取できる限り搾取する」労務管理を合法化する悪魔の法律だ。

それは「3点セット」になることによって、「罰則つき上限規制」の適用除外となる対象を増やすことができるからだ。「高度プロフェッショナル制度」とは労働基準法の中の労働時間規制に関する条文が適用されなくなる(=適用除外)制度である。裁量労働制の場合も労働時間規制に関する条文の多くが適用されなくなる。このように「適用除外」の労働者を増やすことによって「守るべき人」を限定すべき、というのが結局は金丸氏の主張なのだと見ることができる。
このように議事録を確認すると、時間外労働の上限規制という「

政府が今「働き方改革」の名の下でやろうとしていることが、どれほど日本経済にとって危険なことか、簡単に理解できます。安倍政権は、企業が法的に正当な賃金さえ払っていない現状を放置しながら、「商品が売れないデフレ経済状況は、労働者の働き方が非効率なせいに違いない」と考え、労働をいっそう強化し、不払い労働を合法化する法案を押し通そうとしているのです。労働者から消費に使うお金も時間も奪っておいて、それでこそ経済が成長すると政府は信じているのです。

働き方改革法案は、日本経済の滅びの道です。経済が死ねば、社会保障制度も教育制度も破綻します。こどもに満足な教育を与えることはおろか、育てることすらできない。日本国民の命と生活を犠牲にし、日本を滅ぼそうとしているのはいったい誰なのか。いま、私たちの生活と労働が苦しいのは誰の責任なのか。いまこそ現実に即して考えなおすべきときではないでしょうか。

100時間ぶっ続けで働かされるような会社でも違法性がなければ、訴える先がない。そんな「美しい時代」がひそかに幕を開けようとしているのです。

「ブラック企業合法化法案」

国家として、この産業でもうけるというような成長戦略のビジョンが明確でないまま、働き方を変えるという話に走るのは、戦略ではなく、戦術レベルの話である。これからどの産業でもうけるのかという発想がない限り、つまり付加価値をいかに上げるかという発想がないかぎり、生産性など上がらないのだ。

長時間労働は安全衛生管理という意味でNGだが、それでもそれが続いているのは合理性があるからだ。好況期、不況期に人員の増減をすることなく柔軟に対応できる。同じようなスペックの人材を内部労働市場からも外部労働市場からも獲得困難である場合、現状のスタッフが長時間労働をした方が現場は回る。この合理性といかに戦うかという視点が必要だ。

「4週間で4日の休日しか義務付けられておらず、その休みさえ確保すれば、後は休みなく働かせ続けてもよくなります。過労死しても労災申請もできなくなり、死者が増えても過労死が減るという事態が起こります」


残業時間の上限規制について(2017年10月)

現在、政府が次の国会に上程を予定している長時間労働の規制策は、罰則付きで、時間外の上限を「月45時間」「年間360時間」例外として、繁忙期「月最大100時間」「2ヶ月平均80時間」の時間外労働を認めるもの。36協定をむすべば、月60時間年間720時間が可能になる。更に抜け道の休日労働分をプラスすると年間960時間が上限になります。毎日3時間から4時間の残業になります。毎日11時間から12時間働かされることになります。

現行よりはましだとしても、例外の月100時間・80時間は過労死認定のラインです。政府自ら過労死・過労自死の労働災害を招く基準にお墨付きを与えるようなものです!

更に、運送業・建設業・研究開発業務・医師等厚生省が指定するものは施行後5年間は適用除外となっており、過労死基準オーバーの時間で働かされることになります。

2015年度の過労死労災認定数は時間外労働時間月80〜100時間未満で105人が死亡。60〜80時間でも11人が亡くなっています。2014年度もそれぞれ105人・20人が亡くなっています。

特に夜勤交代制労働では月50時間の残業でも過労死として裁判でも認められています。(08年10月大阪高裁判決)

過労自殺した電通社員の母は「人間の命と健康にかかわるルールにこのような特例が認められていいはずがありません。繁忙期であれば命を落としてもよいのでしょうか」とコメントを出しています。長時間労働が有害なことは、政府も厚生労働省も知っているにもかかわらず、なぜ法律で認めようとするのか!

この政府案は過労死根絶を願う労働者、そして家族を過労死で失った遺族の期待を裏切るものです。

日本労働弁護団は「労働時間の上限を1日10時間週あたり48時間。労働協約による延長を認めるがそれでも1日12時間週55時間を限界とする。さらに時間外労働は年間220時間までとする」という提言を出しています。

少しでも労働弁護団の目標に近づけるよう、取り組もう!


国会で「改正案」通ったら――残業代ゼロ広がる恐れ(2017年10月

日本の社会が長時間労働への依存から抜け出せない中、「残業代ゼロ」制度を新設する労働基準法改正案が次期国会に提出される予定。

現行の労基法でも、36協定を労使で結べば、事実上無制限に労働時間を延ばすことが可能。そんな状況下で、経営側が従業員の残業を減らす動機として重要な役割を担っているのが割り増し賃金。企業の収支に直接影響するため、労働時間の短縮や過労の防止につながっている。

残業ゼロ法案

最初は「研究開発職など年収が1075万円以上」などと適用対象を絞る方針だが、法律の変更なく対象を拡大できる仕組みになっている。施行規則は、国会での議論なしに審議会の意見を参考に大臣が変更できる危険な法案です。

新たな過労の防止策として、改正案には@始業から24時間以内に休憩時間を確保し深夜勤務の回数を制限。A1ヶ月または3ヶ月単位の労働上限を設定B4週に4日かつ1年に104日以上の休日を設定のいずれかを採用しなければならない。

ただし、この上限や休憩の具体的な時間も改正案には書かれていない。

Bの場合には4日続けて休ませて後ずっと働かせることも可能。

裁量労働制の対象拡大。

「みなし労働時間」に基づく定額賃金が支払われる対象を企画や立案、調査を担う営業職などにも拡大。いずれ、すべての営業職に拡大する恐れあり。年収要件もなく、対象もあいまい。
 制度設計上、労働基準法で会社を取り締まることが難しい制度。

残業時間の上限規制

原則は月45時間・年360時間ですが、繁忙期には月100時間未満、2〜6ヶ月平均で80時間以内の残業が可能。月100時間は労災認定の過労死ラインと同じ。更にこの残業規制を医師・建設・運輸は5年間猶予するという内容。公立の教員も適用外

安倍内閣は衆議院総選挙で勝利したら、次期国会でこの法案を一括で出してきます。まず、選挙で安倍自民政権の弱体化を勝ち取ることが大事です。 


原発事故と病気の増加(2017年10月)

放射線の長期的影響は内部被爆によって遺伝子が傷つけられておこります。子どもは大人の10倍、胎児は100倍被害が高いという専門家もいます。

セシウムが体内に入ると筋肉に集まりやすく、特に「心筋」に蓄積して心臓病が増えます。心筋梗塞の実際の治療実績をみると、千葉県では2010年に1447人だったのが、2013年には2604人に増えています。同じく東京では3680人だったのが、5605人に増えています。東北・関東で右肩上がりに増えています。

急性心筋梗塞の年齢調整死亡率の全国平均は10万人に対し、2009年は14.5人。2012年は13.0人と減少傾向にありましたが、福島県では2009年は25.6人。2012年には29.8人に増加しています。

他の病気も増加

慢性リウマチ性心疾患の死亡率は事故の翌年から急増。2010年の3.4人が2014年には5.3人へ。(逆に全国平均は1.9人から1.8人に減少)

大人を含む「甲状腺がんの手術数」は2010年と2013年で比較してみると、九州・沖縄は1.07倍・南関東では1.52倍・北関東は1.83倍・東北2.18倍・福島では2.78倍に増加しています。

特に子どもの甲状腺がんは100万人に1人か2人と言われていましたが、37万人の福島の子供からはガンないしガンの疑いが103名。

他に皮膚がん(1.42倍)脳血管疾患(1.44倍)糖尿病(1.46倍)脳梗塞(1.60倍)

チェルノブイリ法の基準

ウクライナでは、年間1ミリシーべルト以上は「避難の権利」5ミリシーべルト以上は「移住の義務」があることを柱としている「チェルノブイリ法」は移住の為の費用や医療費などの手厚い補償があります。移住を選んだ住民に対して国は移住先での雇用を探し、住所も提供。引っ越し費用や移住によって失う財産の補償が行われる。

対する日本はどうか。事故前までは年間1ミリシーベルトだったものを、事故後は20ミリシーベルトに変更。補償を停止し、半強制的に帰還させ、見殺しにするも同然の非情な処置に思える。

関東周辺も病気が増加。内部被ばく(食物から)に気をつけよう!


安倍総理による森友・加計学園への違法な援助(2017年6月)

安倍首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)をめぐる動きに注意を!

前川前事務次官が公表した文書には「官邸の最高レベルが言っている」との内閣府の発言が書かれています。「現在の文科省は官邸からの要請に逆らえない」と述べたが、「あったものをなかったことにはできない」と勇気をもって告発した。「十分な根拠がなく規制緩和が行われ『赤信号を青信号だと考えろ』『黒を白に・・・』ということがづっと続いている」と訴えた。

獣医学部の新設は文科省が「獣医師の人数は足りている」として、50年以上見送られてきた。が昨年11月に安倍首相が議長をしている国家戦略特区の会議で決まった。

その会議の決定には「広域的獣医系要請大学の存在しない地域にかぎり」との条件があり、加計学園しか応募できないように仕組まれていた。

 さらに今治市は36億円の市有地を無償で譲渡するとともに愛知県と今治市で施設整備費として96億円を助成することが決っている。合計132億円がただでもらえたことになる。

 この問題にからんでいるのは安倍首相。利益をうけるのは安倍のお友達。さらに安倍夫人が系列の保育施設の名誉園長に就任している。

 先日の森友学園をめぐる騒動と中身が一緒である。

 森友学園では土地の評価額9億5600万円からゴミ撤去費用8億2200万円あまりを差し引き実際の売却額は1億3400万円。 昭恵夫人が小学校の名誉会長。首相夫人付職員が財務省との間を動く。

 政権の不正を許してはいけません。民主主義に反することです。独裁政治につながる道です。共謀罪廃案の闘いと共に闘おう!


労働者を取り巻く情勢(第21回定期大会(2013年2月2日)で議決

1.国際情勢

 第二次世界大戦後68年間の世界の状況を要約すると次の通りになる。

 大戦が終わった時、アメリカ合衆国(USA)は軍事力と生産力で圧倒的優位に立った。他方、開戦時にソ連邦とモンゴル(外モンゴル)社会主義人民共和国の2国であった社会主義体制は、東欧(ポーランドから東ドイツまで)諸国に広がり、後に朝鮮民主主義人民共和国と中華人民共和国が加わり、大社会主義圏が出現した。

 故に、資本主義諸国の盟主となったUSAの戦略は、一つには社会主義圏の拡大を阻止する「封じ込め」(チャーチルの鉄のカーテン演説)と、二つには西欧の復興への援助と態勢固め(マーシャル・プランとNATO結成)となった。

 かくて世界は資本主義体制と社会主義体制との冷戦下の軍事力と生産力での対決となった。

 朝鮮戦争は、この両体制の「熱い代理戦争」であったが、停戦となり引き分けた。資本主義列強の侵略と対立下での蒋カイライ政府と中国共産党主導の人民解放軍との「鉄砲による革命」戦闘は中華人民共和国の成立で終わったが、この成功の影響はベトナム・インドネシア・インド・マレーシア、ついにはアフリカ大陸に及んで次々に独立国家が成立し、英仏蘭などの植民地体制は崩壊した。そして、ユーゴ社会主義連邦と中国がこれらの諸国に加わって非同盟諸国連合が成立した。「封じ込め」ラインに大きなほころびが生じた(バンドン会議)。

 二つの世界大戦と冷戦下で科学と技術の発展の知識・実験・製造に返る成果を取り込む軍事利用が進み、それらは今日、様々な殺戮の極みと呼べるほどの兵器となって出現し、各種の深刻な悪影響を生んでいる。

 軍備拡張競争の重荷と民族離反、そして官僚主義の横行が原因でソ連と社会主義圏体制が崩壊した後、USAは唯一軍事的優位を保っているが、しかし、生産力ではかつての優位を失い、かろうじて主な国際通貨であるドルの操作によって国際金融では優位にあるが、これが最近揺らぎ始めている。

 また、「核の平和・軍事利用」もその独占管理組織は「核」の拡散が進み、倒壊の前夜にある。

 科学は本来、それを学び利用に努力する全ての人に開かれているのであって、ある国家だけが「核」やエンジンを作ることができ、ある人種は永久に作ることができないなどとはならないのだ。

 軍事費の膨張は通常予算を圧迫し、国内では階級対立を激化させ、恐慌下では戦争突入に到る傾向が強まり、ついには一国の命運を左右するに至る。大日本帝国がその典型例であり、現在ではUSAがそうである。

 スエズ運河を奪取したナセルのエジプトとイスラエルの四次の中東戦争はイスラエルの圧勝に終わったが、これはUSAの軍事支援なしでは不可能であった。USAの軍事と経済援助によるイスラエルの国土拡張は親ソ、社会主義志向(ソーシャリズム・オリエンテーション)であったアラブ世界に打ち込んだ親米のくさびである。

 イスラエルのパレスチナ人への圧迫と国外追放の行動は広くイスラム世界の穏健なインドネシア・マレーシアなどのイスラム教信者の胸をさえ締め付け、その反米感情や過激な自爆テロとゲリラ活動の根っ子にある原因である。パレスチナ紛争の解決がイスラム情勢平和化の要である。

 先進工業諸国を長引き広がる深刻な不況が襲っている。高い失業率と生活困窮をよそに「多国籍企業」が国境を越えて激しい競争を伴いながら高利益を生む資本の投資先と市場を求めて世界中を往来している。

 いくつかの国では、情勢が分からなくなった保守政治家たちが離合集散に走り、国家の危機を叫んで「あいつらが、あいつらも」と対外と対内にいけにえの敵を作り叩くデマゴーグが現れ、一緒になって社会福祉と中道政治を捨て、国家予算の独占的流用と増税の、民主主義の圧殺と少数者による独裁の右傾化の政治へ人々を押し込めようとしている。

 大勢の左右を問わず、洋の東西を越えて、独裁と腐敗の政治や「富の独占」やひどい差別と格差とに反対する人々の、若者たちの国家の枠を越えての抗議とデモと情報交信の波が自然発生的に世界各地で起きている。昨年の欧州諸国やインドネシアなどにおける数十万人規模の数次にわたる労働者のデモとそれによる賃上げや労働条件悪化の中断などは、闘うことによってこそ初めて問題を解決できることをはっきり示した。

 だが、この波の共通意識・同時性・一体性・連携・結集度は、そしてその数はまだ少なく弱い。蹴散らかされる恐れがまとわりついている。

 一方、組織された政党・労働組合・市民運動体の領導力(ヘゲモニー)も弱く、情勢への対応の遅れがあって、これは上意下達で一方的で丁寧さに欠ける、知恵が乏しい運営に災いの責任がある。この革新も必要になっている。

2.国内情勢

 昨年12月の総選挙では、27.6%の得票率(比例代表区。得票数は前回より減少)で61.2%の議席を取った自民党が勝利し、公明党との安倍連立政権が成立した。安倍政権は、大企業と金持を優先し、愛国主義を煽る右翼反動政権だ。

 その主な政策は、@失敗した以前の自民党の政策の焼き直しで、公的債務をさらに膨らませる巨額の財政出動と公共工事の増加といった企業優遇措置、消費税引き上げ、物価上昇誘導と賃金低下継続の経済政策、A中国と朝鮮民主主義人民共和国の脅威を口実とした日米軍一体化及び防衛予算増加、オスプレイの配備と自衛隊への配備の検討、今年7月参院選以降に加速化が予想される改憲と国防軍を通じた軍事大国化政策、B前政権の「2030年代末までに原発依存から脱する」方針の破棄、原発の再稼働と新設、将来の核兵器保有を目的とする核燃料サイクルの維持という原発推進政策、C生活保護削減をはじめとする弱者いじめの社会保障制度改悪、D侵略戦争と植民地支配の歴史的反省をどぶに捨て、領土問題を煽り、愛国主義を子どもたちに注入する教育政策だ。

 今年7月の参議院選挙までは経済政策を中心に進めるが、それ以降は改憲のための地ならしをはじめとする反動政策を全面展開するだろう。

 労働者にとっていいことは何もない政策ばかりだ。安倍政権は反労働者政権だ。労働者はこれと対決し、そのひどい政治を打ち破っていく必要がある。

3.労働者の現状

 日本の労働者を取り巻く情勢はどうなっているか。

 一言で言って、全然よくなっていない。労働者の生活の条件と権利の状態は日に日に悪くなっているばかりだ。

 第一に、労働者全体の賃金が少なくなっている。

 2012年の現金給与総額の月平均は31万4236円で、一般労働者40万1726円、パート9万7192円。それぞれ前年比で0.6%減、0.2%減、1.5%増。

 第二に、長時間労働が続いている。

 月間総実労働時間は一般労働者169.2時間、パート92.0時間で、それぞれ前年比で0.8%増、1.1%増。

 第三に、正規雇用が減り、非正規雇用が増えている。

 常用労働者のうちパートの比率は28.75%で前年より0.56ポイント増。以上の数字は従業員5人以上の事業所を対象にした調査。5人未満の事業所を含む全労働者の35.1%に当たる1802万人が非正規職労働者だ(2011年)。

 第四に、仕事が減り、失業者が増えている。

 2012年12月の完全失業率は4.2%で完全失業者数は259万人となり、また、製造業の就業者数は998万人で1961年6月以来51年ぶりに1000万人を下回った。ちなみに92年10月は1603万人だった。

 第五に、貧富の格差が広がっている。

 年収200万円以下の労働者数は1100万人を超えている。

 生活保護の被保護実人員は214万2580人、被保護世帯数は156万4301人だ(2012年10月現在)。

 

 

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